建設事務は、建設業界を支える大切な事務の仕事です。
しかし一口に「建設事務」といっても、
働く会社の規模・立場、そして派遣という働き方によって、仕事内容や働きやすさは大きく異なります。
「未経験でも本当にできるの?」
「子どもがいても続けられる?」
「きつい・やめとけって聞くけど、実際どうなの?」
そんな不安を感じているママも多いのではないでしょうか。
私自身、派遣で建設事務として9年間働いてきました。
現場事務所・大手ゼネコン・中小企業など、さまざまな職場を経験する中で、
「ママにとって続けやすい建設事務」と
「正直しんどい建設事務」の違いも見えてきました。
この記事では、
- 建設事務の具体的な仕事内容
- 未経験でもできる理由
- 必要なスキルや1日の流れ
- 派遣だからこそ感じるメリット・注意点
を、ママ目線でやさしく解説します。
「今の働き方を変えたい」
「無理なく、長く続けられる仕事を探している」
そんな方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
建設事務とは?未経験からでも始めやすい理由



建設事務とは、建設現場や事務所で発生する書類作成・データ入力・電話対応などの事務作業を通して、現場や社員の方を支える仕事です。
「建設」と聞くと、専門知識が必要そう、難しそうというイメージを持たれがちですが、
実際の業務は
- 決まったフォーマットへの入力
- 書類整理
- 電話取り次ぎ
など、一般事務に近い内容から始まることが多く、未経験からスタートする方も少なくありません。
特に派遣の建設事務は
- 業務範囲があらかじめ決まっている
- マニュアルやフォーマットが整っている現場が多い
- まずは補助的な業務から任されることが多い
といった理由から、事務経験が浅い方や、ブランクのあるママでも始めやすい職種といえます。
「専門職」というよりは、「建設業界で働く事務員」というイメージです。
建設業界の仕組みをやさしく解説【元請け・下請けとは?】



建設の仕事は、1社ですべてを行うのではなく、役割ごとに会社が分かれて進められます。
工事全体をまとめる会社を 「元請け(もとうけ)」
実際に工事を担当する会社を 「下請け(したうけ)」 と呼びます。
この 「どの立場の会社で働くか」 によって、
- 事務の仕事内容
- 忙しさや責任の重さ
- 現場との距離感
が大きく変わり、建設事務の働きやすさにも直結します。
難しい仕組みをすべて覚える必要はありませんが、「会社の立場によって、建設事務の中身が変わる」
この点だけは、最初に押さえておくと安心です。
派遣先によって変わる?建設事務の仕事内容の実例



「建設事務」と聞くと、どこで働いても同じような仕事をする イメージを持たれがちですが、実は派遣先によって仕事内容は大きく変わります。
その理由は、建設業界がはっきりした役割分担で成り立っているからです。
建設業界の基本用語をやさしく解説
施主(せしゅ)
→ プロジェクトの発注者。
「この建物を建てたい」と工事を依頼する人や会社のことです。
元請け(もとうけ)
→ 工事全体をまとめて管理する会社。
一般的にゼネコン・スーパーゼネコンと呼ばれます。
※スーパーゼネコンとは、ゼネコンの中でも特に大手の建設会社(大林組、鹿島建設、大成建設、清水建設、竹中工務店)を指します。
下請け(したうけ)
→ 電気・設備・内装など、専門工事を担当する会社。
サブコン、一次業者と呼ばれることもあります。
二次下請け・三次下請け(以降 n次下請け)
→ 一次業者から、工事や業務の一部をさらに請け負う会社や個人のことです。
家づくりにたとえると、こんなイメージです
文章だけだと少しわかりづらいので、家づくりにたとえてみましょう。



家づくりで例えると、
元請け=家づくり全体をまとめるハウスメーカー
下請け=実際に工事をする職人さん
派遣の建設事務は、この「まとめ役」を支える仕事です。
派遣で実際に分かれるのは「スーパーゼネコン」と「ゼネコン」
建設事務は「元請け・下請け」で語られることが多いですが、
派遣で実際に分かれるのは「スーパーゼネコン」か「ゼネコン」か という点です。
派遣で下請け(専門工事会社)に入るケースは、ほとんどありません。
派遣×スーパーゼネコンの建設事務とは?
スーパーゼネコンでの建設事務は、仕事内容だけを見ると「一般事務にかなり近い」のが特徴です。
- 書類作成・データ入力・管理業務が中心
- 業務が細かく分業されている
- 現場との距離がやや遠く、落ち着いた環境が多い
比較的仕事量は少なめで、未経験・ブランクあり・時短でも働きやすいです。
派遣×ゼネコンの建設事務とは?
一方で、ゼネコンの建設事務は、建設現場に近い働き方の事務になります。
- 現場書類の作成・管理
- 下請けや現場担当者とのやり取り
- 工事の進み具合に合わせた対応
ほどよく忙しく、やりがいを感じやすいです。
また、現場の動きを身近に感じられるので、工事が完了したときに達成感もあります。
私は未経験でスーパーゼネコンを2年経験してからゼネコンに変えてもらいました。
ゼネコンのほうが忙しいですが、事務所内の人が少ないので落ち着いていて過ごしやすいと感じます。
求人サイトの「建設事務(正社員)」との違いに注意
求人サイトで「建設事務」の正社員募集を見かけることがありますが、それらの多くは、下請け(専門工事会社)の事務であるケースが多いです。
下請けの建設事務では、
- 事務が 一人体制 になりやすい
- 建設事務に加えて、一般事務・経理補助・調整業務など業務範囲が広くなりがち
- 派遣の建設事務とは 働き方が異なる
といった特徴があります。
「建設事務=きつい」と言われる理由のひとつ
ネットで「建設事務」と検索すると、予測変換に「きつい」「やめとけ」といった言葉が出てくることがあります。
ですが、これは建設事務という仕事そのものがきついというよりも、未経験のまま下請けの建設事務として正社員になったケースの体験談が多く含まれているのではないかと感じています。
派遣だからこそ、事前に確認できる
派遣で働く建設事務の大きなメリットは、派遣会社を通して、事前に働く環境を確認できることです。
「元請けか下請けか」
「事務の人数は何人か」
といった点を事前に知ることで、ミスマッチを防ぎやすくなります。
派遣先別に違う、建設事務の仕事内容【実例あり】



ここでは、実際によくある派遣先パターンをもとに、建設事務の仕事内容と、ママ目線での働きやすさを紹介します。
スーパーゼネコンの場合|分業が進んだ「サポート型」事務
スーパーゼネコンは、全国規模の大型案件を扱う会社が多く、現場や事務体制がしっかり整っているのが特徴です。
実際の仕事内容例
- 工事関連書類のファイリング・整理
- 請求書・伝票の入力(フォーマットあり)
- 会議資料の印刷・配布
- 社内システムへのデータ入力
- 電話・来客対応(取次ぎが中心)
業務は分業されているため、「すべてを一人で抱える」ことはほとんどありません。
一方で、黙々と決まった作業が中心になるため、やりがいを重視する方には物足りなく感じることもあります。
ゼネコンの場合|現場に近い「バランス型」事務
中堅〜大手ゼネコンでは、事務と現場をつなぐポジションになることが多くなります。
実際の仕事内容例
- 安全書類・グリーンサイトの管理
- 伝票・書類のファイリング
- 納品書・請求書の処理
- 現場事務所での電話・来客対応
- CADで測量や簡単な図面修正
スーパーゼネコンに比べると、現場寄りの業務が増える傾向があります。
サブコン(下請け・専門工事会社)の場合|一人何役もこなす「マルチ型」事務
下請けや専門工事会社では、事務スタッフの人数が少なく、一人で幅広い業務を担当するケースが多くなります。
※派遣では少なめですが、正社員募集の「建設事務」はこのケースが多いため、参考として紹介します。
実際の仕事内容例
- 見積書・請求書の作成
- 工事日程の調整・連絡
- 職人さんの勤怠管理
- 材料発注・納品確認
- 電話対応・雑務全般
業務量が多く、「これもお願い」と仕事が増えやすい傾向があります。
家庭との両立を最優先したい場合は、業務範囲や残業の有無を事前に確認することが必須です。
派遣だからこそ大切にしたい視点
同じ派遣の建設事務でも、就業先によって仕事内容が大きく変わるため
- どの規模・立場の会社か
- 現場常駐か、支店勤務か
- 事務員は何人いるか
といった点を、派遣会社を通して事前に確認してもらうことがとても大切です。
派遣で働く建設事務の1日の流れ【例つき】



建設事務と聞くと、「ずっと忙しそう」「現場に振り回されそう」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
ですが派遣の建設事務は、あらかじめ業務範囲や勤務時間が決まっているため、1日の流れが比較的安定している ケースが多いです。
ここでは、時短×派遣で働く建設事務(ゼネコン現場)の1日の流れの例を紹介します。
※派遣先によって多少前後します。
9:00|出社・お弁当注文・メールチェック・業務整理
出社したら、お弁当表をチェックしてお弁当屋さんに注文。
その後、メールや社内システムを確認し、その日の業務内容と優先順位を整理します。
- 派遣会社・取引先からの連絡チェック
- 机の上に積まれていく伝票や書類の整理
- その日のタスク整理
朝一番は比較的落ち着いていることが多く、「今日やること」を整理する大切な時間です。
9:30〜10:00|事務所内の簡単な雑務
急ぎの仕事がなければ、事務所内の簡単な掃除やごみ回収を行います。
- ごみまとめ
- 不要書類のシュレッダー
- 玄関の掃き掃除
ずっと座りっぱなしにならず、適度に体を動かせるのは意外と助かるポイントです。
10:00〜12:00|書類作成・データ入力
午前中は、主に事務作業を行います。
- 新規入場者書類のチェック・整理
- 納品書・請求書の確認・入力
- 書類のファイリング
建設現場は書類が多いですが、フォーマットが決まっていることがほとんどなので、未経験でも慣れればスムーズに進められます。
※月末月初は、やや忙しくなる傾向があります。
12:00〜13:00|お昼休憩
お昼休憩は、きちんと1時間取れる現場がほとんどです。
- 事務所でお弁当
- 近くのお店でランチ
- 一人で静かに休憩
一人でゆっくり過ごせる時間が確保しやすいのも、建設事務のメリットです。
13:00〜15:30|午後の事務作業・突発対応
午後は、午前中の続きや突発的な依頼に対応します。
- 上司の書類作成サポート
- 現場で使う掲示物・資料の作成
- 郵便物の発送手配
忙しい時間帯もありますが、派遣の場合は「ここまで」という線引きがしやすいのが特徴です。
15:30〜16:00|業務整理・引き継ぎ
依頼された業務が一段落したら、自分の担当業務や翌日の準備を行います。
- 進行中業務のメモ作成
- 明日対応する内容の整理
- デスク周りの片付け
定時が近づくと、「今日はここまでで大丈夫です」と声をかけられる現場も多く、残業をすることは基本的にないです。
16:00|退勤
定時で退勤できる現場では、保育園のお迎えや家事にも余裕を持って動けます。
派遣の場合、残業が発生する可能性も事前に説明されるため、働き方をイメージしやすいのも安心ポイントです。
1日の流れは派遣先によって変わる
ここで紹介したのはあくまで一例です。
- 会社の規模
- 現場常駐か、支店勤務か
- 事務員の人数
によって、忙しさや業務内容は変わります。
だからこそ、派遣会社に「実際の1日の流れ」を事前に確認してもらうことが、働きやすさにつながります。
建設事務に必要なスキルと向いている人の特徴



建設事務に興味はあるけれど、「特別なスキルがないとできないのでは…?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
ですが実際に派遣で働く建設事務は、高度な専門知識よりも「基本的な事務力」と「気配り」 が重視される仕事です。
ここでは、派遣の建設事務で「実際によく求められるスキル」と「向いている人」の特徴を紹介します。
建設事務で求められやすいスキル
建設事務では、以下のスキルを求められます。
- 基本的なPC操作(入力ができればOK)
- 書類を丁寧に扱えること
- 周りとやり取りできるコミュニケーション力
- 期限を意識して進められること
この4つを詳しく解説していきます。
基本的なPC操作(入力ができればOK)
建設事務では、Excelで SUMやIFなどの基本的な関数を使う場面があります。
ただし、難しい関数やマクロを一から組むことはほとんどありません。
あらかじめ用意されたフォーマットに数字や文字を入力・修正する作業が中心なので、事務未経験のママでも、働きながら十分に慣れていけるレベルです。
分からない関数があっても、同じ業務をしている先輩や社員さんに聞ける環境が整っている職場が多いのも特徴です。
書類を丁寧に扱えること
建設現場では、安全書類・請求書・納品書など、書類がとにかく多くなります。
- 種類ごとに分ける
- 決められた場所に戻す
- 抜け漏れがないか確認する
こうした 「当たり前をきちんとできる力」 が、実は一番重宝されます。
周りとやり取りできるコミュニケーション力
コミュニケーション力といっても、雑談が得意である必要はありません。
建設事務で求められるのは、次のようなシンプルなやり取りです。
- 依頼されたことを、正確に伝える
- 分からないことを、そのままにしない
- 仕事を依頼されたら事前に期限を確認する
この程度のコミュニケーションができれば、仕事に支障が出ることはほとんどありません。
期限を意識して進められること
提出期限や締切はありますが、派遣の場合「無理な量を一人で抱え込む」ことはほとんどありません。
あらかじめ業務範囲が決まっているため、優先順位を意識しながら進められれば十分です。
建設事務に向いている人の特徴
以下の項目に当てはまる方は、建設事務に向いています。
- コツコツした作業が苦にならない
- 「ありがとう」と言われる裏方の仕事が好き
- 予定を立てて動くほうが安心する
- 家庭と仕事、どちらも大事にしたい
これらに一つでも当てはまれば、建設事務はかなり相性のいい仕事です。
完璧にできる人よりも、「分からない」と言える人の方が、建設事務では長く続きやすいです。
正直に言うと、あまり向いていない人
一方で、次のようなタイプは少し合わないと感じることもあります。
- 毎日刺激のある仕事がしたい
- 臨機応変にマルチタスクをこなしたい
- 指示を待たずにどんどん動きたい
建設事務は、「決まった流れを正確に回す仕事」 が多いため、動きの激しい仕事を求める方には物足りなく感じるかもしれません。
派遣×建設事務は「スキルを積みながら働ける」
建設事務の大きな特徴は、
- 専門知識がなくても始めやすい
- 経験を積むことで自然と専門性が身につく
という点です。
派遣なら、業務範囲や勤務時間が明確な状態でスタートできるため、子育て中のママでも無理なく挑戦しやすい働き方 だと言えます。
ママが派遣で建設事務を選ぶメリット・デメリット
建設事務は、特別な資格や高度なスキルがなくても始めやすく、派遣という働き方を選ぶことで、子育て中のママでも無理なく続けやすい仕事です。
一方で、どんな仕事にも向き・不向きはあります。
ここでは、派遣で建設事務を選ぶ際に知っておきたい代表的なメリットと注意点を、コンパクトにまとめました。
ママが派遣で建設事務を選ぶメリット
① 未経験から始めやすい
建設事務は、決まったフォーマットへの入力や書類整理など、基本的な事務作業からスタートできる現場が多いのが特徴です。
少しずつ業務に慣れていけるため、事務経験が浅いママでも安心です。
② 勤務条件が事前に決まっていて安心
派遣では、勤務時間・残業の有無・業務範囲が契約時に明確になります。
「今日は何時に終わるかわからない」といった不安が少なく、保育園のお迎えや家庭の予定を立てやすい働き方です。
③ 定時で帰りやすく、生活リズムが崩れにくい
派遣の建設事務は、定時退勤が前提の現場が多く、繁忙期でも「今日はここまでで大丈夫」と声をかけられるケースもあります。
終わりが見える働き方は、子育て中のママにとって大きな安心材料です。
④ 事務+業界経験が積める
一般事務に加えて、建設業界ならではの書類や流れを学べるため、「ただの事務」で終わらない経験が積めます。
経験を重ねることで、次の仕事やキャリアにつながりやすいのもメリットです。
ママが派遣で建設事務を選ぶデメリット(注意点)
派遣の建設事務は働きやすい反面、派遣先によって環境が異なるという側面もあります。
- 現場によって忙しさに差がある
- 小規模な現場では業務範囲が広くなることがある
- 職場の雰囲気や人間関係は現場次第
ただし、派遣の場合は業務内容・残業の有無・事務体制を事前に確認できるため、自分に合わない現場を避けやすいのが特徴です。
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そんな方は、無理に今すぐ決めなくて大丈夫です。
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